刻み道具(カンナ)

私たちが家づくりをするのに欠かせない道具「カンナ」について紹介します。
みなさん「カンナ」はご存知ですか?

シンプルに言うと、手に持って木材にあてて表面を削って平らにするものです。
カンナがけをやったことがあるという人は少ないかもしれません。
ホームセンターなどで売られている木材は表面がすでにキレイになっているものがほとんどですし、日常生活でカンナがけが必要な場面…なかなかないですね。

家を建てるのに使う木材は、山から切り出された後、一本一本個性を見極めて適材適所となるように、長さに合わせて切り、手刻みやカンナがけの作業をします。
家のどこの部分に使われるかにもよりますが、カンナをかけることによって、木の表面をきれいに仕上げたり、大きさを調整することができます。

熟練の職人が仕上げた木はとてもいい艶がうまれます。
カンナは力の入れ方によって、削る厚さが変わります。
セロハンテープやハサミのように、だれが使っても同じように切れるというものではありません。
切れ味や刃の研ぎ方、刃の出かた、また使い方によって全く違う仕上がりになります。
だからこそ、いい仕上がりの木材にできるよう、わたしたちは道具を大事にします。

また、いくらきれいに刃物が研げてもカンナの台がくるっていては削れません。
カンナは台が命。
使わないときなどは油などを塗って保管します。
そうして大事に使用することで愛着がわき、丁寧に仕事をしようと思うのではないでしょうか。

余談ですが、こうして自分が大工をするきっかけになった時の親方が初めにくれたカンナが一番使いやすく、切れ味が抜群です。
もうだいぶカンナの刃が短くなってきましたが思い入れのあるとても大事な道具です。

次の記事

下山梨の工房