かれこれ30年前…お施主様とはピッチャーキャッチ―のバッテリーとして
小中学生の頃に野球を楽しんでいました。
そのときの野球仲間が、建築現場を見てうちに声をかけてくれたことから
自宅をリフォームさせてもらいましたのでご紹介します。
「大きくなってきた子供のために、部屋を分けてあげたい」
というご要望から、屋根裏を子供部屋へ変えることに。
閉ざされていた空間が、子供部屋として機能することとなりました。
外壁はこの地方によくある“銅板葺き”
海が近いので、塩害に強い銅板が使われています。
そして壁の下地は全て土壁。
梁には松の丸太を使った、がっちりとした家です。
窓の部分は元々銅板で閉じられていましたが、窓を設けるためにそれを剥がさなくてはいけません。
銅板は10円玉と同じで、最初はピカピカの状態。
時間と共に酸化していくことでくすんだ色になっていきます。古い所と新しい所が混ざってしまうと、継ぎはぎのようで見栄えが悪い。
そこで、元の銅板を再利用して違和感のない外壁にすることとしました。
銅板に傷をつけないよう釘を一本一本抜いて丁寧に剥がし、穴が開いた場所は裏から金づちで叩いて平らにしました。
昔は使い捨てというより、再利用できる知識があったから物を大事にしていたのだと思います。
板金屋さんも、弟子の時代に培った知識を活かして対応してくれました。